化学物質規制の適合性確認において、実際の製品に対して分析を行うことは強力な検証手段です。その際に試験所の品質を高く維持することはもちろん重要ですが、分析手法を共通化すること、すなわち国際標準化は様々な試験所で実施された分析結果を評価するうえで必要不可欠です。化学物質規制の動向を受けて必要とされる分析方法も増えるため、その都度、適切に標準化作業を進める必要があります。CCLでは国際電気標準会議(IEC)の下部組織である作業部会(WG3)に参加をしており、化学物質分析規格の国際標準であるIEC62321シリーズの策定に関わっています。年間数万検体の豊富な分析実績をもとに、実用的な分析手順の提案を行うことで国際標準化に貢献しています。

某国立大学医学部と共同して、環境中の新型コロナウィルスPCR検査の技術開発並びにサービス化に取り組みました。医療の最前線という一般消費財の分析とは全く異なる領域において、計画の立案から予算の確保、実施、成果報告という一連の研究開発を行いました。具体的にはSARS-CoV-2をコードしたRNAの一部を用いて、様々な温度、時間など物理条件下で残存するRNA濃度について検討しました。これらの研究を環境中の新型コロナウィルスPCR検査サービスの確立に生かすとともに、この成果をPLOS ONEという医学系の国際雑誌に掲載することができました。やる気次第で、異分野のプロジェクトに挑戦できる環境があります。

半導体業界は製品だけでなく製造工程においても厳格な品質管理が求められるため、半導体製造装置についても多くの試験が必要になります。特に海外の業界団体基準やエンドユーザーの要求が特殊であるなど、簡単に対応することができません。それらの試験の1つに排気換気に関する要求事項があるのですが、お客様からの他の試験と合わせてワンストップでサービス提供して欲しいという強い要望を受け、開発に着手しました。その試験規格は非常に難解で、かつ、それまで経験のない製造現場での試験というハードルの高い取り組みでしたが、SGS韓国ラボから技術支援を受けることで、オンサイト化学試験サービスを立ち上げることができました。グループネットワークを通じて様々な分析技術に触れる機会があります。それらには日本で浸透していないものも多く、独自性のあるサービスにつなげることができます。